相談者の声

【相談】Hさん40代男性「NPO法人で働きたいと考えている」

Hさん40代男性
Hさん40代男性
営業をしていて、お客さんに販売するのが嫌になってきた。利益など考えたくなくなっているので、非営利団体で働きたい

回答

話としては、
営業職をしていて、販売するのが嫌になってきた
非営利団体で働きたいと考えている
という2点についての相談でした。

結論としては、現職を続けるということになりました。

「営業職をしていて、販売するのが嫌になってきた」

まずは、彼自身がどのような仕事をしているのかをお伺いしました。

彼は、個人宅を訪問して生涯学習系の教材を売る営業職をされていました。

近年、大学などで学生ではない一般人の方を集めて「生涯学習」として地域社会との関わりや社会での役割など、学生に限らず講義などを実施する大学も増えていて、それを自主学習できるような教材を専門で販売をされているようです。

教材自体の信頼は長年の実績で担保しているようで、「変なものを売る」という認識ではないようでして、そこは問題ないのですが、アポイントを獲得して訪問すると、仕事とは関係のない話になることが多いようで「最近はね…」とご高齢の方の話し相手になることも多いようです。
その話自体は興味深い話も多く、勉強になるので楽しいようですが、最終的には「たくさん話を聞いてくれてありがとう、ではお礼に買う」という形になるようで、本来の「学習してほしい」という希望はどうでもよくなってしまうことが多いようです。

営業ですから、一定の目標やノルマがあります。
ですから「売る」というのを目的でやらないといけない時期もあるようです。
そのような場合は、多少無理やり信じてもらって買っていただくこともあり、どこか「強要」している気持ちになり、罪悪感を感じることもあるようです。

そのような流れから「人に販売すること」に対して「やりたくない」という気持ちが始まってしまったようでした。

お伝えしたのは、「強要」というのは相手が感じることであるため、実際には喜んで購入している場合もあるという事実。
また、「やりたい」「やりたくない」と「向いている」「向いてない」ということはまた別物であるので、職を変える際には「向いている」か「向いていないか」は冷静に検討したほうが良い、ということをお知らせさせていただき、納得した様子を見せてくれました。

「非営利団体で働きたいと考えている」

こちらについても、なぜこのような考えになっているのかをお伺いしました。

上述の通り、「人に販売をしたくない」という気持ちから来ているようです。
非営利団体であれば、「利益を考えないで働ける」という彼の言い分です。

これを聞いていろいろとお話しさせていただきました。

「人に販売したくない」のは営業職の話なのか、扱っている商材のことなのか。
それが営業職であれば、職種の変更を考える選択肢もあるので
そもそも営利団体、非営利団体のくくりまで誇張する必要があるのか。
扱っている商材であれば、自らがどのようなものだと興味があるのか?
「売る」こと自体が嫌であれば、日々どんなものを「買っている」のか。
そちらの視点から考えてみるとどう感じるのか。

また、非営利団体自体を否定するつもりは一切ないことを前提に、
非営利団体も利益を出して良いこと、利益を出すことを目的としていないということ、
非営利団体だと活動資金も含めて制約がある程度かかるということ。

まずは、事実としての知識や認識を持っていただきました。
すると、彼は「非営利にこだわっているわけではない」ということをお伺いできました。

お客様と話すこと自体は楽しいようで、
奥底には「営業ノルマが嫌」ということを感じているようでした。

目標があるのは、当たり前です。
この認識はきちんと持ってみることもお伝えしました。
「ノルマ」という言い方や慣習が減ってきている昨今ですから「ノルマ」を毛嫌いするのは
わかりますが、ノルマを「最低限の目標」と捉えると少し考えは変わります。

「営業ノルマが嫌」ということであれば、それ自体を会社として実施していることの
意味を改めて考えてみることもお話しさせていただきました。
明らかに無理を言っているだけのようであれば、代替案と共に上長などに提案する方が
良いと思いますし、必要だと感じているのであれば必要なままでやる、が良いです。

これも、「好き」「嫌い(嫌)」ということなのか「必要」「不必要」で考えてみると
自身の感情優先ではないので方法論としてはあるのではないか、ということもお知らせしたところ、それについて大変納得感があったようで「一旦検討してみる」ということに終始しました。

このように、相談の始めにおっしゃる問題が表面的で実は奥底に気になっている問題が潜んでいることが多くございます。
自身でも気づいていないことが多くあるのです。
それを自分自身への質問を通じて明らかにしていくアプローチは有効です。

少し立ち止まって見て、「なぜそう感じているのか?」「それは一時の感情なのか?」
「それは自分の性格なのか?」「それは好き嫌いの話なのか?」などを自問自答して
本当に気になっていることを抽出していくことをお奨めします。

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