キャリアカウンセラーの役割として、
「転職させる・させてくれる人」というのは間違っています。
同様に似ていますが「人と職業のマッチング」というのも間違っています。
方法論として、マッチングしたり転職を勧めることがないわけではありませんが、基本は自立化の支援や「問題解決のための学習援助」でもあります。
この「学習」という理論を体系化して提唱していのがクルンボルツです。
クルンボルツは職業選択に影響を及ぼす要因として以下をあげました。
1.先天的な素質
2.環境条件や出来事
3.学習経験
①道具的学習経験
②連合的学習経験
4.課題へのアプローチスキル
これらが職業を選択するうえで影響を及ぼすと考える考え方。
先天的な素質は、その名の通り自身の素質から職業を考える方法です。
環境条件や出来事も、例えば自身の住まいなどの条件、結婚したという出来事なども職業選択に影響を及ぼします。
学習経験というのは「道具的学習経験」と「連合的学習経験」があります。
道具的学習経験を簡単にいうと、知っている知識などを使って「やってみてうまくいった」経験。
連合的学習経験を簡単にいうと、例えば犬と触れ合って犬に興味を持ち学び獣医になりたいと「学習が連鎖していっている」経験。
課題へのアプローチスキルは、自らが課題に直面したときにどのような決断・意思決定を
行っていくことが出来るのか、してきたのかというのが職業でどのように生かせるのかというスキル。
これら複合的な視点から職業選択に影響を及ぼす経験を考えていくことができます。
クルンボルツは、学習理論と知られていますがもう1つ「偶然を活かす」という
考えも提唱しています。
「プランド・ハプンスタンス・セオリー」
・偶然の出来事が人のキャリアに大きく影響を及ぼす
・偶然の出来事を避けるのではなく、起きたことを最大限に活用する
・偶然の出来事を積極的に作り出す
例えば、雑誌の取材が急に来た、社内の広報からインタビューが来たなどの偶然の出来事を
経験したり、自らそのような機会を活用したり、活かしたりすることがその方のキャリアに
大きく影響を与えるという考え方です。
職業ではない例をあげると「宝くじ」などもそうです。
宝くじは買わなきゃ当たりません。これも偶然の出来事を自ら作り出そうとすることで自らのキャリアを変えようとしている行動です。
この「偶然」の出来事を活かすスキルとして、以下も提唱しています。
「好奇心」新しい学びの機会を模索せよ
「持続性」失敗に負けずに努力し続けよ
「柔軟性」姿勢や状況を変えよ
「楽観性」新しい機会は必ずやってきて、それを自分のものにすることができると考えよ
「冒険心」結果がどうなるか見えない場合でも行動を起こせ
多少、根性論のような考え方もあるようにも感じますね。
例えば現職での成果を考えていく時に、「なぜそのように成長できたか」を考えると
「前任者が急に退職してしまった」ということを言われる方が多くいらっしゃいます。
その「偶然」の出来事に対してその本人は、好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心などを持ち合わせていたのでその出来事を活かすことが出来たのだと思います。
この「偶然」を積極的に作り出すというのは難しく思うかもしれませんが、
自らで仕掛けることは可能です。起きる可能性のある「偶然」を想定し、その機会を
掴むことはキャリアアップにつながるとは思います。
自らの「偶然」を考えてみることも大切な自己分析の1つです。
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